西林 美樹

株式会社ジャパネットたかた
メディア企画制作本部執行役員

見つけて・磨いて・伝えよう


NISHIBAYASHI MIKI

長崎が育んだ“暮らし”を届ける会社

「ジャパネット ジャパネット 夢のジャパネットたかた」

もしかすると、逆にこのフレーズを聞いたことのない日本人を探すほうが、難しいかもしれない。

長崎の片隅で小さなカメラ店として始まったジャパネットたかたは、現在ではテレビ・ラジオ・紙・インターネットの4媒体をインタラクティブに活用してお茶の間に商品を届ける、唯一無二の通販企業へと成長している。

世の中に埋もれた良いモノを「見つけて・磨いて・伝える」ことを事業方針としてきたジャパネットたかた。その歩みには地道で着実な工夫と改善の積み重ねがあった。

はじまりはカメラ店

設立は1986年。創業者・髙田明氏が親の経営していたカメラ店より独立し、地域の需要を的確に捉える小規模な店舗からスタートした。1990年にはNBC長崎放送のラジオショッピングに進出し、1994年にはテレビショッピングを開始。その後折込チラシも取り入れ、1999年に社名を「株式会社たかた」から「株式会社ジャパネットたかた」へと変更。2000年代初頭にはカタログ通販とウェブ通販を導入し、メディアを連携させるモデルを先駆的に築き上げている。

スポーツや地域創生にも活動の場を広げている。プロサッカークラブ「V・ファーレン長崎」とプロバスケットボールクラブ「長崎ヴェルカ」をグループ会社として運営。さらに2024年10月には総工費1,000億円をかけ、民間主導の地域創生プロジェクトとして長崎市に大型複合施設である長崎スタジアムシティを開業し、長崎のさらなる賑わいを実現している。

テレビ画面から飛び出すMCの声、お客様を想像し続けるスタッフの熱気、すべてが積み重なり、今のジャパネットたかたを形作っている。今回インタビューに協力いただいた執行役員西林美樹氏も、ジャパネットたかたの熱量を高めている一人だ。

777商品のジャパネット・チョイス

社内には、バイヤー、MC、テレビ技術、媒体戦略、WEBや紙媒体の制作まで多彩な業務がある。どの役割も「お客様に届く表現」という共通の目的を持ち、自社で企画から物流までを一貫して担う仕組みが品質と迅速さの両立を可能にしている。

ジャパネットの主力方針は「厳選した商品のみを扱う」こと。2016年に行った全面リニューアルにより、8,000以上あった豊富な商品群を最大777商品に絞り込んだ。家電をはじめ寝具や生活用品、食品の定期配送サービス、クルーズなど、多岐にわたる“選りすぐり”が揃えられている。担当バイヤーだけでなく、制作スタッフも一緒になって入念な実機テストやスタッフの使用感レポートを行いラインナップされるため、紹介番組では実演を交えつつ細かなポイントまで、丁寧にわかりやすく伝えられる。

「私たちが心がけているのは、商品を“生活の一部”として選んでいただけるよう、見つけて・磨いて・伝えていくことです。家電ひとつにもお客様のライフスタイルが表れ、その声を番組作りに反映できるのが通販の醍醐味だと感じています。」 と語る西林。放送現場から役員へ立場を変えてもなお、お客様目線を貫く姿勢が社内にも浸透している。アットホームな社風と、仕事に対するストイックさが、ジャパネットたかたのなかでうまく共存されているのだ。

長崎で描く新しい地図

「これからは、オンライン視聴体験を深化させるコンテンツ制作やAIを活用した個別提案、物流面でのさらなる効率化に取り組むフェーズに入ります」と熱を込める西林。社員間のフラットなコミュニケーションを維持しつつ、新たな挑戦を重ねることで長期的な成長を目指す。

「ビデオ通話が身近なものになって便利になる一方で、情報があふれる時代だからこそ、自らの暮らしに合った選択を楽しんでほしい。そしてそのなかで、地元の企業について知る機会があると思う。私たちジャパネットグループも、長崎のみなさんのアイデアや情熱に期待しているし、一緒に長崎を盛り上げていけたら嬉しい気持ちでいっぱいです。若い力が新しい風を吹き込み、地域をさらに元気にしてくれる、そんな未来を心から楽しみにしています」

創業の地・長崎で培われた誠実さと丁寧さは、全国のお客様に対しても変わらない。これからも「選ばれる通販」として確かな歩みを続けていく。

西林 美樹

株式会社ジャパネットたかた メディア企画制作本部執行役員

長崎大学を卒業後、長崎のラジオ局・テレビ局のレポーターとして約4年間活躍。その後テレビ番組のディレクターを務め、2010年にジャパネットたかたへ入社。現在は4つの媒体(テレビ・ラジオ・チラシやカタログなどの紙媒体・インターネット)の戦略と制作を統括し、通販ビジネスの中核を担っている。